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着磁・脱磁の基礎知識

着磁とはどんなもの?

着磁とはどんなもの?

「磁石は鉄を引き付ける」

 

磁石は製品として加工される前から鉄を引き付ける力を持っていたわけではありません。磁石となる素材に磁力を与えることで、永久磁石として使用できるようにするのです。

 

素材に磁力を付与して「永久磁石」にする作業が「着磁」

 

つまり、この「着磁」作業によって、もともと磁力を持たない素材が「磁石」として使用できるようになるわけです。

着磁の方法とは?

着磁の方法とは?

小学校の実験などによってご存知の方も多いかと思いますが、磁石を鉄(釘など)に擦りつけることで、鉄は軽い磁力を帯びます。この現象も立派な「着磁」です。つまり着磁の方法を簡単に説明すると「磁界の中に素材を置く」こと。磁界とは、電磁石などの上にプラスチックの下敷きを置き、その上に鉄粉をまくとN極とS極の間を結ぶ筋ができます。このような力を生じさせるような状態のことです(左図参照)。ただし、磁石製品を製作するためには、「磁石と釘」の実験とは比べ物にならないほどの磁力が必要です。

コイルを使用

永久磁石を作るための磁界を作るには、普通の磁石では力が足りません。永久磁石は、電線を巻いたコイルに電流を流すことで強力な磁界を発生させて製作するのです。コイルに電流を流すと、そのコイルの中心に強力な磁界が発生し、ここに磁石素材を入れることで着磁させます。

飽和点を知る

ただし、強い磁界を作ればその分だけ強い磁石ができるというわけではありません。使用する素材によって磁力には限界があり、どんな素材であってもこの限界点(飽和点)以上の磁気は得られません。飽和点ギリギリまで着磁させることが、その磁石の特性を最大限に引き出す重要なポイントです。

磁石素材の種類

  特徴 用途
アルニコ磁石 アルミニウムやニッケル、コバルトといった鉱石から作られた磁石になり、20世紀半ば頃まで永久磁石の主流として使用されていた。 電動機、各種センサー、
スピーカーなど
フェライト磁石 酸化した鉄を含む結晶体の集まりで作られた磁石素材の一種。
永久磁石として使用され、強い磁力とコストが安いことが特徴。
スピーカー、モーター、HDDなど
ネオジウム磁石(希土類磁石) もっとも強力な永久磁石として知られており、磁力も非常に強いのが特徴。 CDプレーヤー、携帯電話、
ヘッドフォンなど

上記に挙げた素材を用途別に選んで、着磁して使用することになります。こちらでご紹介した以外にも磁石の素材として使用されているものはありますが、ご紹介した3つが主に使用されています。

 

また、「着磁」の逆として「脱磁」という作業も存在します。以下にて脱磁についてご紹介します。

脱磁とはどんなもの?

脱磁とはどんなもの?

「着磁」とは逆に「磁力を取り除く」のが「脱磁」

 

「脱磁」とは着磁の反対、つまり着磁して磁力を持ち、永久磁石となったものから磁力を取り除くということです。

 

磁石を近づけたために磁力を持ってしまった電子機器など、場合によっては磁石にするつもりがなくても磁力を持ってしまうことがあります。そんな場合に磁力を取り除いて正常に戻すために使用されます。

脱磁の方法

脱磁には以下の3つの方法が挙げられます。

共振減衰脱磁 着磁の際とほぼ同様のコンデンサとコイルを使用して脱磁する方法。コイルにコンデンサに充電した電荷を流すことで共振磁場を発生させ、磁場を反転させ続けることで磁力を取る。
熱脱磁 磁石には「キュリー温度」と呼ばれる磁力がなくなる温度が存在する。この温度以上に素材を過熱することで磁力をなくす脱磁方法。
交流脱磁 電気エネルギーを利用することで磁力を取り除く方法。

脱磁を行うことで磁力をほとんど除去しても、再び着磁をすることで磁力は概ね元に戻ります。また、磁石の種類によって脱磁方法は変化するため、素材に合わせた方法を選びましょう。着磁・脱磁に関して様々なお問い合わせがある方は、ぜひ当サイトのQ&Aをご覧ください。

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